日銀が事実上のインフレ目標導入と、資産買い入れ基金の10兆円増額による
追加金融緩和を決めたことで、円安や株高が進みました。
今回の基金増額分は長期国債の購入にあてられるため、
国債の安定消化を日銀に頼る構図も鮮明になりそうです。
ただ、財政規律が緩んでいると市場から受け止められれば、
逆に長期金利が上昇するというリスクもありますが。
国債の保有比率は海外投資家が1割未満で、大半が国内勢。
銀行が約4割、生命保険や損害保険会社が約2割を占め、日銀も1割程度に達しています。
ただ、日銀が国債をむやみに買い増せば、無制限にお金を刷って財政赤字を穴埋めしている印象が強まり、
日本政府が再建努力を放棄していると市場から受け取られかねません。
そうなると日銀の健全性への信頼も揺らぎ、円の信認が失われる事態も想定されます。
結果、海外投資家が国債売りを始め国内投資家も追随すれば、金利が急騰する恐れがないとも言えず、
ギリシャの二の舞に陥る危険性も否定できません。
国債の金利が上がると預金の金利も上がりますが、両手を挙げて喜べません。
借り入れの金利も上がることになり、企業も個人も借金の際の利息支払いが増えます。
住宅ローンの金利が1%上がっただけで、相当大きな影響も出ます。
金利の上昇には様々な方面に注意が必要です。