福岡の投資コンサルタント会社『夢大陸』が、外国債などの金融商品の購入をもちかけ、
約400人の顧客から67億円をだまし取ったということで逮捕されました。
実際は集金した資金の8割を顧客らの満期償還に転用、
残りの2割を事業資金や宝飾品など私的消費にあてていたということです。
いわゆる自転車操業というやつですね。
お金を募集する時には、『フランス国債は確実に利益が出ます』などと言って資金を集めていたとのことです。
ただフランス国債も多くの外債も、国内の証券会社を通じて購入することができるので、
何が国内の証券会社で運用するよりもメリットがあったのかは不明です。
フランス国債は3%前後で推移しているので、確かに満期まで償還を待てば3%儲かることは事実です。
為替差損益は無視していますが。
まずこういう時は必ず以下のようにファンドの組成がされているかどうかを確認してください。
(ちなみに皆さんが国内の証券会社や銀行で投資しているファンドはすべてこのようになっています)
・販売会社(証券会社、銀行、郵便局)
・運用会社(ファンド会社)⇒○○アセットマネジメントや○○投信といった会社
・管理会社(信託銀行)⇒○○信託銀行
・監査法人(会計事務所)
通常はこのようにそれぞれの役割が分担されています。
まず投資家は販売会社から営業を受けて、そのファンド会社へ運用をお願いします。
ファンド会社はマーケティングのノウハウはありませんので、販売会社へそれを委託するという形です。
次に投資家はお金を管理会社が管理するファンド会社名義の銀行に送金をします。
投資家から集められた資金は運用するための資金として、
管理会社がファンド会社自身のお金とは切り離して管理をします。
だから今回のように絶対にファンド会社の私的消費などには使うことはできません。
またここからファンド会社が仮に倒産、もしくは運用を停止したとしても、
投資家のお金が守られていることがわかります。
ちなみに国内の証券会社は、投資家が株や債券・ファンドなどたくさんの商品に投資しやすくするため、
管理しやすくするため、また税金を取りやすくするために、証券会社の口座で一括管理されています。
ただしこれも分別保管されているので、証券会社が破綻しても投資資金に問題はありません
(山一証券破綻の時と同様)。
そしてファンド会社が管理会社に都度運用の指示をします。
運用に関しては契約(目論見書のとおり)でファンド会社が投資家から一任されているので、
自由にファンド会社へ指示することができます。
最後にこのファンドの時価を都度計算して投資家に開示しなければいけません。
また投資家が解約をしたいと言った時、確かな価格で決済をしなければいけませんので、
そういった数字が正しいかどうかを監査法人がチェックしています。
ちゃんとしたファンドとして組成された金融商品は、こういった詐欺が起こらない仕組みになっているのです。
ご自身が大事な金融資産を投資する際には、こういったところもちゃんとチェックして投資してくださいね。