お金が日本から飛び立っています。
日本より居心地が良いところがあるということでしょうか。
知人から聞いた話だと、HSBC香港の口座開設をする日本人が月に1,000人程度いるそうです。
実際にいくらの金額を移しているのかまでは情報を得ていませんが、
日本からお金が出て行っている(特にオフショア地域)のには違いなさそうです。
現在の日本の財政状況を考えた時、政治家や官僚が最も恐れるのは『資産の国外逃避』です。
なぜなら、お金が国外に出て行ってしまうと、金融機関が国債を買う余力が減ってしまうからです。
当ブログでも度々話してきましたが、日本国債の買い手の95%は国内金融機関です。
銀行・ゆうちょ銀行・保険会社・年金機構など、国内の金融機関が購入、つまりは国にお金を貸しています。
ではその金融機関のお金は元々は誰のものでしょうか。
言うまでもなく一人一人の預金者や契約者です。
お金の流れとしては
『 国民 ⇒ 金融機関 ⇒ 日本国 』
という流れが出来上がっています。
ただでさえ国の借金が1,000兆円を超えて来て危ない水準に来ているのに、
肝心の国債の買い手である金融機関からお金がなくなれば、もう新たな借金ができなくなります。
そういう意味において、国としては国民のお金が海外へ移転していってしまうことはかなり困るわけです。
しかし資産移転そのものは何の違法性もなく合法であるので、権力を使って止めることは出来ません。
せいぜいできるとしたら、マスコミを使って脅しをかけるか、法律を変えてしまうかです。
日本が破綻、もしくは破綻が囁かれるようになると、一斉にお金の国外逃避が始まるでしょう。
そうすると加速度的に円が売られ(円安)、国債も売られ、様々な金利が高騰します。
銀行の取り付け騒ぎが出てくることも十分に考えられます。
好景気で金利が上がるのならいいのですが、不況下で金利が5%10%と上がるので、
住宅ローンを借りている人や、銀行から貸し出しを受けている企業はにとっては厳しい現実が待っています。
東日本大震災で国の財政出動や東電の賠償が言われています。
そうなると益々国の財政状況は厳しくなり、Xデーが近づくかも知れません。
賢者は可能性が少ないことでも、もしもの緊急事態にはきちんと備えをします。
『転ばぬ先の杖』として、ぜひ皆さんも備えられる人になってください。
キャピタルフライト<資産逃避>
