ネット生命保険の先駆けであるネクスティア生命が、先月ネット生保業界初の値上げに踏み切りました。
2008年に同社が先陣を切って以来ネット上で各社は熾烈な価格競争を繰り広げてきました。
しかしネクスティアの値上げに、業界内からは『値下げ競争がほぼ底を打ったことの表れ』との声も。
ネクスティアは10月2日以降の契約から、医療保険(定期型)『カチッと医療』と、
死亡・高度障害時に家族の毎月の生活資金を確保する収入保障保険『カチッと収入保障』で商品改定を実施、
新たな約款・保険料の適用を始めました。
あるネット生保首脳からは『ネット生保の最大の魅力は低価格。ネクスティアは今後、
新規契約数が伸び悩むのではないか』という声も。
実際、オリックス生命が先月末に行った『保険加入の決め手』に関する調査では、
『保障内容』に次ぐ第2位に『保険料の安さ』がほぼ拮抗する形で選ばれています。
とは言え、別のネット生保社員は『ネクスティアのように値上げはなくてもこれ以上、安くすることは難しい』とも。
その背景にあるのは、安くない営業コストです。
『世間には、ネット生保は営業コストが安いので保険料も安いというイメージがあるが、それは間違い。
生保レディに払うか、テレビCMなど広告料に払うかの違い』と前出のネット生保首脳は言っています。
実際、ネクスティアの新規個人契約1件当たりの営業コストは10年度、約8万6000円。
これは、大手生保と比較すれば半分以下ですが、通販・代理店系よりも1.5倍近く高い金額です。
『ネットだから絶対安いはず!』という思い込みを捨て、様々比較する必要がありそうです。
そして保険料よりも大切な『どんな時のために備えたいのか』をきちんと考える必要もあります。
そのためには専門家の意見を聞くことも決して無駄ではないと考えますが、いかがでしょうか?