運用成績次第で将来もらえる年金の額が変わる確定拠出年金、いわゆる日本版401k。
その加入者の約6割が『元本割れ』に陥っていることが明らかになりました。
格付投資情報センターが大手運用管理会社3社の加入者140万人について調査したところ、
元本割れとなっているのは2011年9月末時点で約6割、人数にして約81万人になることが判明。
3月末時点から約30万人も増えたとのことです。
『公的年金ばかりが話題となっているが、じつは深刻な問題』(永森秀和・「年金情報」編集長)
というのも、13年から厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳に段階的に引き上げられるなど、
公的年金の受給条件は厳しくなるばかり。
その穴埋めとして期待されているのが、確定拠出年金などの企業年金になります。
それが元本割れしてしまえば、期待どおりの年金を受け取れなくなってしまう可能性も。
理由は株式相場の低迷を受けた運用利回りの悪化です。
9月末現在の運用利回りはマイナス1.89%。
当初の確定拠出年金の想定利回りは2~3%で、40年ほどで投じた資金が倍になるはずですが、
現在の利回りでは投じた資金が半分以下になってしまう水準となります。
確定給付年金ならば、予定利回りと乖離したぶんは会社が補填してくれますが、
確定拠出年金はすべて自己責任。
とはいえ、確定拠出年金は税制優遇などメリットが大きいこともありますが、
その不確実さを理解したうえで、確定拠出年金と向き合う必要があるといえます。
これまでも保険や資産運用の相談の際に、確定拠出年金の相談を受けることが多々ありました。
ログインから売買の仕方、ポートフォリオの組み方などをお教えしたこともしばしば。
導入ばかりが先行して、制度の運用がうまくいっていないとつくづく感じます。